税金と離婚

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多額の財産分与や
慰謝料の支払いが
行われることがあります。

会社経営者の離婚の場合、多額の財産分与や慰謝料の支払いが行われることがあります。
これらの多額の離婚給付に対して、税金は課されるのでしょうか。

金銭給付の場合

離婚給付が金銭又は金銭債権によって支払われる場合には、名目が財産分与や慰謝料であっても、原則として課税されません。

これは、財産分与の本質が、夫婦が婚姻中に協力して蓄財した財産の清算にあり、新たに財産を得る場面ではないため、所得税等を課すことができないからです。
また、慰謝料は、不法行為に基づく損害賠償請求権であり、性質上、非課税とされています。
ただし、財産分与等の名目で不相応な過大な給付がなされる場合には、離婚に名を借りた贈与行為として課税されることがあります。

不動産の給付の場合

以上の通り金銭給付は基本的に非課税であるのに対し、不動産や株式など、価値が増減する資産を給付する場合には、価値の増額部分について、譲渡所得税が課せられます。

1. 給付者への課税

離婚給付が不動産の譲渡によってなされる場合で、不動産の分与時の市場価格が取得価格より高い場合には、原則として給付者に譲渡取得税が課税されます。
譲渡所得税は、[当該不動産の分与時における市場価格]と[当該不動産を取得した時の費用]の差額に課せられます。
したがって、当該不動産が取得時価格より値下がりしていれば、譲渡税は課せられません。

また、建物の取得費については、購入価格からその後の減価償却分を減額した価格になります。

また、夫婦が相互に不動産取得の金銭を出し合う等して、不動産に夫婦の共有持分が認められる場合には、(不動産の所有名義が夫婦のどちらか一方のみであっても)給付者が有した持分のみが課税の対象となります。
なお、譲渡所得税については、特別控除(租税特別措置法35条)や長期譲渡所得税についての軽減税率の特例(租税特別措置法31条、31条の3)、配偶者控除等の様々な控除措置がありますので、お早めにご相談ください。

2. 取得者への課税

不動産の取得者には、原則として不動産取得税が課せられます。
不動産取得税額は、固定資産税評価額の3-4パーセントです。もっとも、財産分与の場合には、不動産取得税が減免となる可能性があり、個別のケースで検討の必要があります。
なお、不動産の登録免許税や固定資産税は課せられます。

株式の給付の場合

株式も不動産と同様、価値が増減するため、価値が増加した分については、譲渡所得税が課せられます。
具体的には、譲渡価額-必要経費(取得費+委託手数料等)の差額に20%の譲渡所得税(所得税15%、住民税5%)が課税されます。

もっとも、非公開会社の株式は【株式・持ち分の価格算定】でも取り上げている通り、市場価格が不明です。
そこで、非公開会社の株価については、国税庁による財産評価基本通達によって評価し、適正時価を算定します。
譲渡価格が適正時価を下回っている場合には、その差額について取得者に対し、みなし課税が課せられます。
逆に、譲渡価格が適正時価を上回っている場合には、その差額について給付者に対し、贈与税が課せられます。

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