持分会社と名義株

 合名会社、合同会社(LLC)や合資会社などの持分会社においては、株式は発行されないため、名義「株」は生じません。しかしながら、持分会社においても出資が行われ、株式会社の「株主」に匹敵する「社員」が存在するため、いわば名義株と同等の「名義社員」が存在することになります。
 持分会社は、設立時に出資者全員が定款に署名又は記名押印して社員となります。この定款の作成の際、社員になろうとする者が第三者の名義を借用し、第三者名義で定款に記名押印する場合に、名義社員が生じます。また、社員たる地位を第三者に譲渡したけれども、定款変更がなされていない場合なども、名義社員が生じます。
 これらのケースも基本的には名義株のケースと同等に考えることができます。実際の出資の拠出者や出資の目的等の事情を総合的に勘案し、実質上の社員を特定することになります。